蓋を開けてみると、、
こんな感じでかなり粘り気のある塗料になっております。
まぁ、ゴムがベースの塗料ですから笑
こんな感じですね。
ちなみにこれは原液なので、そのまま塗装することは出来ません。
専用シンナーで希釈(150%)し、スプレーガンでもスムーズに塗装できるような状態にしてから吹き付けていきます。
今回使用するスプレーガンはこちら!
普段の修理ではドイツ製のSTANDOXという塗料を使用していますので、それに合わせて相性の良いサタ社(ドイツ製)のスプレーガンを使用しています。
こちらのガンは性能も(お値段も笑)非常に良いため、 SPPFも問題なく塗装できるので使い慣れたコイツで塗っちゃいます!
順番的には
①ゴムベース
②定着剤
③クリヤー
の順で塗装していきます。
余計な箇所にSPPFが散らないよう
また、ゴミが舞わないように丁寧にマスキングした後、シリコンオフで油分の除去、また静電気除去専用のイオンブローガンとクロスで付着しているゴミも除去してから塗装スタートです!
①ゴムベース塗装後
ゴムベースを塗装し乾燥するとこのようにマットな見た目になります。
コルベットのボディはFRP製で膜圧を測ることが困難だったため、正しく膜圧を計測するために鉄製の展示用ミニチュアボンネット(白黒のパネル)にもSPPFを塗装していきます。
ゴムベース塗装前のボンネットの膜圧が171ミクロンに対し
ゴムベース塗装後は276ミクロンでした。
つまりゴムベースで105ミクロンの膜圧がついているということになります。
ゴムベースの推奨最低膜圧は80ミクロンなので、この時点でボディを保護するための充分な膜圧がついています。
塗装回数で言うと、初手のバラ吹き含め9回塗り重ねています。
時間で言うと9回塗り終えるのに約5時間かかりました。
塗装は、塗り重ねれば重ねるほど塗装面の肌が荒れてくるので最終的な仕上がりが悪くなる傾向にあります。
なので、いかに塗装肌が荒れないようにスムースかつ厚く塗り重ねることができるか?が SPPFを綺麗に施行する上で非常に重要なポイントになります。
つまり、腕です。笑
塗り重ねていく上で特に注意しないといけないのが
・ゴミかみ
・塗装垂れ
・均等な塗り肌で塗装し、十分に乾燥させて塗り重ねていく
これらを注意して塗装していくため、非常に時間と神経を使います。
②定着剤塗装はゴムベースとクリヤーの密着性を上げる接着剤のような役割のものなので1〜2コートのみで仕上げます。見た目の変化もほとんどありませんので、写真は撮ってません。笑
(ただ忘れただけ)
③クリヤー塗装
その時の気温や湿度に合わせて最適な硬化剤やシンナーの希釈度も変えて調合し、塗装します。
手打ちうどん作りに似ていますね。笑
ツヤツヤ具合が伝わりますでしょうか。
こんな感じで塗装は仕上がっていきます。
ちなみにクリヤー塗装後の膜圧を測ってみると362ミクロンでした。
つまり
①ゴムベース105ミクロン
②定着剤&クリヤー86ミクロン
ここまでの合計191ミクロンの膜圧が形成されたということになります。
SPPFの推奨膜圧が160〜200ミクロンなので、基準クリアーです!
だがしかし!
綺麗に塗り重ねていくのって本当に難しく、ちょっと気がかりな仕上がりになってしまった箇所が何箇所かあったので実はやり直したんです。。泣笑
今回はクリヤーの仕上がりが気に入らなかったのでやり直しました。
クリヤー塗装し、乾燥させたのちにやり直す箇所をフラットに研ぐためサンドペーパーで研磨します。
マスキングも全部ではないですが一部やり直してリベンジクリヤー塗装!
今度はうまくいきました。
いつも100点満点の仕上がりを目指して塗装しますが、ロボットじゃなく人の手によって仕上げていくものなので、1発で納得いく100点の仕上がりになることなんて5年に1回あるかないかくらいかもしれません。
それだけ塗装は奥が深いです。だから楽しいのかも。
ちなみに新車の塗装はロボット塗装がほとんどですが、最近仕上がり悪いんですよねー笑
なんか年々悪くなってる気が。。
ロボットで塗ることはできても仕上がりの追求という点ではまだまだ。
高級車の新車の塗装は職人の手によって一台一台丁寧に施工されている車もあるんですよ。
そんなに塗装は簡単じゃないってことです。
『100点満点の納得いく仕上がりを目指す』
これを達成するための飽くなき追求と創意工夫が、この仕事の最大の価値かもしれませんね。
ブログ書きながらふとそんなことを思いました。
さぁ、塗装も終わりいよいよ組み付けです!
組み付けた後は、さらにピカピカにするためのポリッシング(磨き)作業です!!
ではまた!!